ハイパーソニック。まぶしくて、くらい、ハイパーソニック。/竜門勇気
 

街道沿いに流れている川の周りでは小さなビルが
うなだれたまま冷たくなった廃墟を眺めている
公平な爪が選ばれたビルをついばむ
粉塵に慌てふためいて浴びせられた水のしずくのむこう
太陽かなんかの光が眼鏡の向こう側で虹のまがい物になって
スペクトラムの端っこから端っこから端っこまで
まるで奇麗なもののように振舞っている
ふざけんじゃねえよ、ふざけんじゃねえ
星にしゃべるように自分と夢におちる

今までは美しいと思っていた虹の中で
誰かと歩いてく
珍しく少しだけしか酔っぱらっていなくて
どこかで転がり落ちた痣が痛むわけでもない
何てすてきな日なんだろう

秋が始まって夏
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