命のすべての闘いにおいて俺が語ることは/ホロウ・シカエルボク
 
なかなかにこちらを滾らせるようなフレーズが記されていた、ほくそ笑みながらそれを打ち込む、身体のあちこちで鈍い痛みを感じるけれど、途中でやめるわけにはいかなかった、それを打ち込んでしまうとあとは簡単だった、そのフレーズは今日の、記憶と感情のすべての蓋を開けた、そこからはずるずると、内臓を引き摺り出すかのように言葉が生まれ続けた、俺は言葉に憑依され、内奥に沈殿しているものをすべて引き摺り出すべく血眼でキーボードを叩き続けた、血はもの凄いスピードで血管を駆け巡り、神経系統はリズミカルな信号を絶えず送り続けた、すべてが連続する閃きの為に全力で稼働していた、そういうのは若い時だけだよ、と知ったような顔をする
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