数式の庭。─前篇─/田中宏輔
 
演算のほうに意識が集中させられると
2でも3でも
あまり、その数自体に意味がなくなっていくということである。

2や3ではあまり適切ではないか。
もっと大きな数
もっと大きな整数で考えれば
より適切な比喩に聞こえるだろうか。
自我とは
この演算子のことであろうか。
+だけではないし
まず
単純に線形に演算されるものとも思われないが。
しかし、演算子も
数がなければ演算子が機能しないので
数と演算子の関係を
言葉と自我との関係として
アナロジックに見てやることもできる。
そうだ。
まさしく
数は言葉に
演算子は自我に。
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