約束の地/由木名緒美
 
るんだ!」って嬉しくて。性的マイノリティのアプリに登録したの。そこで知り合った女の子に「死にたい」って打ち明けたら、飛行機代出すから、茨城にすぐおいで!って言われて」

人生の崖っぷちを目隠しで歩く孤独な旅人達は、互いの手を握りしめ、命を拾い合いながら生き伸びていく。極寒の草原で身を寄せ合うコヨーテのように。

「……だけどその子にはパートナーがいて、上手くいっていないみたいなんだ。朝から晩までパートナーの話を聴かされて、私はあなたの何? なんのために私を呼んだの? って思ったら、なんだか余計に悲しくなってしまって」

みきちゃんの悩みの殆どは、恵まれた環境の私には想像するしかない
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