地の塩に乾杯しよう/ホロウ・シカエルボク
 
イに写る文字を見て初めて知る感じさ、それぐらいの速度がないと身体の奥底にあるもののことは書くことが出来ないんだ、そう、一度出口まで連れてくればずるずると果てしなく這いだしてくるけれど、最初の言葉が出てくるまでに少し時間がかかるのさ、俺は書き続ける中で、こんな風に書こうなんて決めたわけじゃなかった、それは書き続けていく中で自然に決まっていったのさ、進化の過程で体型を変えていく生きものみたいなものさ、それは勝手に進化していくものなんだ、あれが駄目だからこれ、これは嫌いだからあれ、なんてやってちゃ成長しないのさ、それは結局何を着るか迷ってるようなものだからね、せいぜいコーディネートのセンスが磨かれていく
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