幸福論/英田
たい3分から4分のあいだに恋の予感から終わりまでが歌われます。実際の恋もこのぐらいスピーディーでコンパクトだったよいのに。だらだらと長いこと退屈な恋なんてしたくない。
でもわたし退屈な恋をしらない。恋は、朝起きて寝ぼけ眼でカーテンを開けて飛び込んでくる目をみはるような空の青さと登校時に咲いていて下校時に散っている春の桜、この空色と桜色の色彩が渦巻いてグッと縮んで、それをそっと胸におさめて、おさえきれなくてパッと晴れた気持ちのまま駆けだして両手両足をバッと広げて宙に跳ぶ感じ、そんなふうな、おもいっきりの気持ちをぶつける愛。
そんなふうにおもいめぐらしていると、約束の九時半を過ぎていました。一〇時
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