悲しみのうた/秋葉竹
 





昭和、黄金時代
あきちを夕日が朱に染めるころ
昭和の悲しみは
まるで未来にすべてが解決できる悲しみに
想えたんだろ?

東京にいったとき
東京タワーではなく
スカイツリーに、登った

大阪に行ったとき
通天閣の真横の
あべのハルカスにも、登った


あたし、
知ってんだ
洞穴に住んでたむかしのすべてのひとが
あたしに劣っていたわけではないってね

あたしより
素晴らしいかたがたも
いっぱいいっぱい
いらっしゃったって。


だから、かな。

けど、バッカみたいに
悲しみばかりを探して
そのありかに戸惑うのは
なんでな
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