鏡像 【改訂】/リリー
 
けても、入
 居者さん達へ柔軟性のあるケースバイケースな対応を試みようとする。竜
 虎相博であった。
  私達下っ端連中は、食堂ホールの大窓ガラスに映り込む中庭の碧い芝生
 を松に例え、ここを『松の廊下』と呼んでいたのだ。

  お便所掃除を済ませて担当する病室へ出向くと、先輩が西川さんの水分
 補給で介護用ベットの上半身を起こしていた。月に一度の通院以外は病室
 で眠っている西川さん。食事も流動食なのだが、少しでも離床出来るよう
 に車椅子で食堂へ移動してもらっている。
  痩せこけた躯で、窪んだ目ばかりがギョロリと銀灰色の閃光を放つ。言
 葉も無く無表情なのだが、ただ一言
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