夢幻空花 一 序/積 緋露雪00
れは闇尾超は己の存在そのものを嫌悪してゐて、彼は死すまで闇尾超といふ存在を認めやうとはしなかったらしい。何故、闇尾超はそのやうな自虐の土壺に嵌まってしまったのかといふと、どうやら闇尾超は存在といふことに対しての全転覆、つまり、それはかうともいへ、あはよくば、宇宙に対して闇尾超といふ存在を賭して宇宙が闇尾超を認識した時にぎょっとする如くに宇宙に一泡吹かせることに取り憑かれてゐたとのことである。それは余りに馬鹿げたことであり、そもそもそんなことなど不可能なのであった。だが、闇尾超にとってそれは生あるうちにどうしても成し遂げるべき、または、闇尾超といふ存在の宿痾の如きものとして闇尾超には取り憑かれてしま
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