夢幻空花 一 序/積 緋露雪00
取りはそのSmartphoneを使って行ってゐたので、闇尾超は黙狂であっても何の不自由も感じてゐなかったやうだ。
その闇尾超は、しかし、極度の自虐の虜になってゐたと言われてゐて、彼は絶えず、
――お前自身を、お前の手で徹底的に弾劾せよ。お前の存在をお前は決して許すまじ。はっ、お前の手でお前を抹殺せよ。さうしてお前は口から手を突っ込んでお前の胃袋を引っ?んで胃袋の内部を外部に引っ張り出して島尾敏雄の『夢の中の日常』のやうに体?を裏返し、さうして首を刎ねて晒し首にせよ。その滑稽さがお前の本質だ。
と、闇尾超は己を針の筵の上に座らせては自問自答の罠に嵌まってしまってゐたらしかった。つまり、それは
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