寄り道の先の亡霊/ホロウ・シカエルボク
のそこそこ大きなラブホテルがあって、そこはもちろん女と一緒に入ることも出来るし、ひとりで入って中から女を呼ぶことも出来るようなところだったんだ、そのホテルの近くを歩いていた時さ―ショートカットで咥え煙草の酷く痩せたメイド服を着たショートボブの女が自転車で俺のことを追い越して、ホテルの駐車場の隅に自転車を止めた、彼女はそこで煙草を消して携帯灰皿にしまい、自転車に鍵を掛けてすたすたと、テニスの試合にでも行くような感じで中に入っていった、俺はその一部始終を見てからなんだか酷く陰鬱な気持ちになってさ、本当にしばらくの間どんよりとしていたんだ、何が俺をそうさせているのかよくわからなかった、あの女が凄く痩せて
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