入退院後の日記/由比良 倖
の言葉を知らない。僕は空っぽで、空っぽだからどんな破綻も受け入れられる。
僕は滅びゆくのだと思う。疲れて傷だらけの皮膚と、壊れかけた内臓。血圧はすごく高く(200くらいは普通)、それなのに顔には血の気が無い。一日に一度は、動悸が起こるようになった。ギターの音がとても好きで、古い音楽が好きだ。
僕は滅んでしまうのだと思うけれど、でもそれは何だか、どうでもいいことに思える。世界は僕を超えていく。愛していたいな。好きでいたいな。その願いだけが叶えばいい。
1月25日(木)、
全てを愛したいな。全てを丸ごと。自分の周りに幸せでぼんやりした空間を作ることではなくて(そうしたいと思う
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