入退院後の日記/由比良 倖
ても、歪んでもいないことを、話せば十分伝えられるだろうと思った。先生にも、初めて会う看護師の方たちにも、親しみというか、旧知の仲であるような、好感みたいなものを感じられて仕方なかった。
ただ、薬を大量に飲んで死のうとしたので、血液検査の結果が剣呑で、食肉置き場の跡みたいな、鉄製ベッドがひとつの部屋で、三日間ひたすら薬と煙草(と多分お酒)からの急速な離脱症状に耐えているのは、寒い寒い道を、汗をいっぱい掻きながら、裸足で延々歩いているような、かなり辛い作業だった。心の中で歩くのをやめると何かが壊れて、叫ぶか何かしてしまいそうな感じもあって、そういうときは自分が嫌な感じもした。
夜、8時に睡
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