青空とレモネード?/朧月夜
とは気づかなかったらしいが。君はそれをどうするつもりだったのだろうか。あるいは、離れて暮らしている両親にでも送り届けるつもりだったのだろうか……。
「とにかく合鍵を渡すから、彼女の家へ行ってみて。そうすればすべてが分かるから。……いいえ、なんとなく分かると思うんだ」
電話口でそう言う君の元ルームメイトのことを、僕はなんと無責任なのだろうと思った。それに、なぜ今さら合鍵など持っているのだろう。そのことを問い詰めると、「あの子に返しそびれてしまって」という答えが返ってきた。
僕は君への思い、というよりは、社会人としての責任感から、君の家へ行くことを同意した。そのほうが、君の治療も
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