青空とレモネード?/朧月夜
 
こうにも、彼女が彼女自身を思い出さなくては、どうにもならない……」

「それはそうね」

 僕も君の元ルームメイトも、答えに窮していた。

「彼女は、僕と過ごす幸せな日々を思い描いていたんでしょうか?」

 と、僕は聞いてみる。

「あの子は、芸術家のパートナーや家族が幸せにはなれないことを、よく知っていたわ」

 君の元ルームメイトの言葉に、僕はその通りかもしれないと思った。

「僕たちに共通するものって、何でしょう?」

「情熱、ね」

 君の元ルームメイトが答える。

「仕事への情熱、生きていく上での情熱。生命力、のようなもの」

 そして、ぽつり
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