青空とレモネード?/朧月夜
 
、途端にあの子の様子が変わってね。わたしが何を言おうとしているのか、気づいたみたいだった。そのころには、あの子にとってはあなたはかけがえのない存在になっていたのよ、きっと。……創作の源としてね」

「創作の源、ですか」

「そう。創作の源。だって、創作の源って『愛』でしょう?」

「彼女は僕を愛していたんですか?」

「上辺では、違ったでしょうね。そして、心の奥底ではまた違っていた」

 望まない愛、というのは時に人を不幸にさせるものだ。僕は戸惑う。青空の話、スカイラインの話、入道雲やスーパーセルの話。僕が思い出すのは何気ない話題ばかりだった。しかし、もしかするとそれは君にとっ
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