青空とレモネード?/朧月夜
 
師に突き返されるのが落ちだっただろう。

 精神科の病棟でも、面会室というものはある。そして、患者が外へ出ようという意思があれば、病棟の外で誰かに会うということも可能だ。でも、今の僕は君にとっては何者だったろう。友人でもなく恋人でもない。かと言って、当たり前の知り合いというわけでもなかった。

 そうしたある時、

「あの絵にレモネードを描くことを提案したのは、わたしだったの」

 と、君の元ルームメイトは言った。今では、彼女を責める気持ちは僕にはなかった。

「レモネードのグラスと、ティーカップを描いたみたら?って」

 その後に静かに続けて言う。

「そうすると、途
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