青空とレモネード?/朧月夜
 
彼女と2人の間で共有される空間ではなくなっていたのだ。

 僕は、ふたたび画面の上のレモネードとティーカップを見つめる。それは美しい絵に思えた。それゆえに、魔術的なところがあるようにも感じられた。この魔術性に……君は君自身の今後を重ねてみていただろう。自分自身の創作に翻弄される自分。食べることすら忘れて、創作に熱中してしまう自分。それこそが、君の未来の写し絵だった。

 しかし、君自身には君のこの絵を破棄してしまうことは出来なかった。



*1つのティーカップ4


 それから数日が経ち、君の画廊での個展は中止となった。代理として、君の元ルームメイトが出席するという
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