青空とレモネード?/朧月夜
 
家ではない僕には、その意図はすぐには汲み取れなかった。やがてぼんやりと、僕は気づいていく。レモネードは僕で、ティーカップは君なのだと。それが青空の下で2つ、並んでいる。それは切ない夢のような光景だった。

(君は、僕に恋愛感情を抱いていたのだろうか?)

 僕は真っ先にあり得なさそうなことを考えた。いや、これは何度思い返してみても、違っているような気がする。僕たちの関係は共犯関係のようなもので、恋愛関係ではない。最初の出会いでは、僕は彼女の荷物持ちだった。2度目の出会いでも、僕は君と君の元ルームメイトの間を埋める余白のような存在だった。僕と君とは、決してそういう間柄ではない。では、ここから
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