青空とレモネード?/朧月夜
から湧き出る気持ちとは何なのだろう……
僕は画家ではなかったが、君もその思いに悩まされたであろうことは、容易に想像出来た。何かが、君の絵をまた変えてしまったのだ。
「今までの絵は失敗作ではない」と、君は考えていただろう。しかし、新しく湧き出る想像力の源、その正体に君は我を失った。君は新しい絵の題材に翻弄されたのだ。いや、新しい人間関係に、新しい人生観に。
(僕が君に出来たことなど何もなかったはずだ)――しかし、「出来る」ということこそが問題だった。
君はいつしか僕を愛し始めていたのだ。今の君にとって、僕は単なる荷物持ちではなかった。単なるお客さんでもなかった。僕は、君に
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