青空とレモネード?/朧月夜
。そして、作業のしやすい位置に椅子が移動されていた。「君は基本的に戸外で絵を描く画家だったはずだ……」と僕は思う。
部屋ではその仕上げをするだけだったはずだが、その椅子とイーゼルには長く使われているような雰囲気があった。
イーゼルの上には、1枚の絵が置かれている。僕は近づいていって、それを確かめる。そこには、余白を中心に扇形に描かれた青空と、その下にレモネードのグラスとティーカップが1つずつ、描かれていた。
(君は絵の題材にするために、レモネードを作ろうとしていたのか)
と、僕は思い当たる。
(それにしても、なぜレモネードとティーカップだろう?)
画家で
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