青空とレモネード?/朧月夜
 
の日の僕はどうしても大胆な気持ちにはなれなかった。そこには、「もし君がこのまま君自身を失ったままでいたら……」という不安も混じっていた。



*1つのティーカップ3


 僕は部屋のドアを開ける。

 ほっとしたことに、君の部屋は以前のままのようだった。カッターナイフで切り裂かれているような絵もない。つまり、それらの絵は君にとって失敗作ではなかったわけだ。だとしたら、君は創作に行き詰っていたわけでもない……

(では、なぜ君の元ルームメイトは、僕に君の部屋を訪ねてほしいなどと頼んだのだろうか?)

 異変は部屋の窓際にあった。そこにはイーゼルが立てられている。そ
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