青空とレモネード?/朧月夜
に対する手の振り方だった。
「あなたがいつお客さんになってくれるか、楽しみなの」
絵筆を止めて、君が言った。
「僕はお客さんにはなれないよ。君の絵を買うお金がないもの」
僕は残念そうに答えた。
「ただ見に来てくれれば良いのよ。今度個展を開くっていったでしょう。個展は一週間続くの。その間に、空いた日があったら見に来て」
「どうかなあ、僕はけっこう忙しいから」
「朝から夕方までやってるんだよ。だいたい10時から、17時くらいまで。少しの時間は作れるでしょう?
「そういうわけにも行かないんだ。夜勤明けにまた夜勤が待っていることもあるし、一日中仕事をして
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)