青空とレモネード?/朧月夜
 
していることもある」

「そう。残念だな。でも、個展を開くのは今回だけじゃないから。家に絵を見に来てくれても良いし……」

「それは無防備すぎるんじゃないかな?」

「無防備? ああ、そういう心配? 安心して。わたし、合気道初段だから」

 見かけによらず、そういう特技もあるのか、と僕は思った。合気道初段なら、「その手の」心配をする必要もないだろう。君の部屋にはコンクリート・ブロックという「凶器」もある。それに、君は他人に対して隙を見せるようなタイプには思えなかった。それも、他人を遠ざけてしまう原因の一つだろう。

「今日は雲の絵を描いているの?」と、僕が聞く。

「そう」
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