青空とレモネード?/朧月夜
 
くは、彼女が君が道を踏み外さないための重石になっているのかもしれなかった。

「彼女から直接話があれば、考えます。でも、僕から言うことは何もありませんよ」

「そう。ただ、個展には見に来てほしいって言ってたわ」

「行ければ、行きます」――あいかわらず自分の言葉は冷たい。そこには少なからず、君への反感も混じっていただろう。画家として成功しつつある君への嫉妬。それを醜い、とは僕は考えなかった。僕と君とはライバルのようなものだ。どちらが先に成功するか。どちらが足を踏ん張って生きていくことが出来るか。そんなことを考えさせるような力が、君にはあった。

 ビジネス上の問題に加えて、私的な問
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