青空とレモネード?/朧月夜
居人になるということは考えられなかった。もちろん、僕は丁重に断りを入れる。
「それは出来ません。それに今、仕事が詰んでいて、それどころじゃないんです」
「そう。残念だな。あの子はけっこう期待していたんだけれど……」
(期待?)――僕には君の気持ちが分からなかった。知り合って間もない人間と同居する。それも、画家仲間であったら理解出来る余地もあっただろう。しかし、僕と君とでは職種も違う、立場も違う、そして、生活のスタイルも生活のリズムも。そんな君がなぜ僕を求めるのだろうか……
「それより、なぜあなたは彼女との同居を解消することにしたんですか?」
僕はビジネスライクな口調
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