青空とレモネード?/朧月夜
 
たしが『空』しか描かない画家だからよ」

 それが君の答えだった。君の言葉は毅然としていた。プロ意識のようなものが、そこにあったと言って良いかもしれない。

「空しか描かない?」

「そう」

「木や地面は描かないの?」

「家や建物も描かないわ。ただ、空とスカイラインだけを描くの。わたしの絵には余白が必要なの」

「でも、それじゃあ画面が淋しすぎるんじゃない?」

 君は笑った。

「空って言ってもね、色んな空があるの」

 僕は納得した。納得せざるを得なかった。それが画家の言葉だったからだ。僕は決して芸術家ではない。そして、芸術を理解することも出来ない。君だ
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