青空とレモネード?/朧月夜
僕は君のことが気になった、と書けば、それは本当でもあり嘘でもあるだろう。僕はその日は徹夜明けで、そのことが僕を寛大な気持ちにも大胆な気持ちにもさせていた。僕はふと君のことを目にとめた……それが「事実」だ。
事実以外のことを書くのは難しい。僕は決して君に恋をしたわけではなかったし、それが僕たちの関係を「そんなふうに」と書かなくてはいけない理由でもある。ただ、しばらくの間僕は君の後ろに立って、君の描く絵を見つめていた。
君の描く絵は変わっていた。そこには、空しか描かれていなかったのだ。
(空だけの絵?)
と僕は思う。
(いやいや、まだ未完成なんだ)
と僕は
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