水の行方/ホロウ・シカエルボク
を出た。きっとすごく忙しいだろうし、今までの調子から皆が私のことをあまりよく思っていないことはわかっていた―私は、意図的に付き合いの悪い田舎者のスタンスを貫いていたから。オフィス街を抜けて繁華街に入ったところで目を回し、小さな広場の(矛盾する言葉だ)ベンチに腰を下ろしてしばらく休んだ。そういえばこの街のことは仕事場の周辺以外何も知らないな、と思ったけれど動けそうになかった。薬を飲まなければいけなかった。ゆっくりと老人のように自動販売機へ歩き、お茶のペットボトルを買った。バッグから薬を出し、二錠口の中に放り込んでお茶を飲む。ごくん、と喉の奥でもの凄い音がした。凄く喉が渇いていたのだ、とその時初めて気
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