Lの昇天?/朧月夜
 
ものはない)

 そう一人で決めつける。

 こんな気持ちを認めてくれる人を求めていたわけではない。不安定な自分と一緒に暮らしていくのであれば、それは介護と似たようなものとなるだろう。Lは看護師を探しているのではなかった。未知な道を一緒に冒険してくれる相手を求めているのでもなかった。

 彼女にとって「死」は魅力ではなかったし、何かの結論のようにも思えなかった。ただ、それは決められていて、今の彼女が雑踏の中にたたずんでいるように、何かの必然のように思われた。

(「死」は来るんだ、確実に)

 ただそう思っていた。

 雪の降っている空から、Lは前方に目を移す。その動作もあ
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