めーとる/妻咲邦香
 
モテモテの夢だった

猪木はまっすぐ走ってきた
まっくろいパンツをはいていた
マイクを握ってわきめもふらず
向かってくるのはわかってた
わかっていたけどよけられなかった
なぜならあまりにも速かったから
そして正面衝突さ

ぼくはよんめーとるもふっとんだ
ろくめーとるだったかもしれない
ふっとんで夢をみた
有名人になる夢だ

猪木はとまらなかった
なぜなら急いでいたからだ
なおかつ段取りもきまってた
それは塊でもあった
一瞬ちらりとぼくを見たんだ
仲間は陽気にうたってた
お客さんはてびょうしさ
サンプラーザの客席通路
ぼくは夢のなかだった
きがつくとい
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