メモ1/由比良 倖
 
い。無音なのに全ては音楽で、無色なのに全てはカラフル。この世界にはあらゆる醜い感情や、恨みや、死や理不尽でさえも包み込んでくれる何かがある。それはあらゆる感情を浄化する。どこまでも透明で、そこにはあらゆるものが沈んでいき、溶け込んでいく。世界は当然のように、僕の中にある。そしてまた、僕の外に拡がっている。世界はどこまでも広く、どこまでも深く、永遠のようにどこまでも続いている。

 広大な世界の中で、人間の世界は、虹のように奇跡的に、何故か存在している。そこは何もかもが詰まった宝箱であり、小さな楽園のよう。人間の世界には、何もかもがある。
 何よりそこには、言葉がある。僕は日本語と英語が大好き
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