メモ1/由比良 倖
 
ることもある。微笑が一番強い。自らの存在意義を忘れて、ギターで溜息のような音を出しながら、世界の一番端っこで、自分の弱さを感じるときほど、僕は世界の中心にいて、不思議な力に守られていると感じる。

 もっともっと、人間について、何かを書きたい。僕たちはそれぞれ、動かなくなったバスに閉じ込められて、途方に暮れた乗客みたいなものだ。地球という小さなバスに詰め込まれて、ある人たちはいがみ合い、ある人は押し黙ったまま孤立している。立ち上がって、何か小さな優しさを、他の乗客に手渡せるような人になれたらと思う。全員には無理でも。手紙を書いたり、何の気なく話せたり、小さな声で歌ったり、楽器を奏でたり出来たら
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