枳の花──ユウコのために/中田満帆
なんとかしてきみに繋がることを期待していた
すっかり溶暗した舞台のそでで、
ぼくはきみに出会えるときを
空想していた
でもきみはコンドウなんていうでぶの誘いで、
一緒に下校してしまった、って、
なんと芽毟り仔撃ちか!
2年にあがって
きみはヤンキーどもに感化されたのか、
ばかげた赤いパーカーを着て、
髪を染めてしまった
そしてぼくは酒を呑むようになった
疎外感のなかでなにもかもがうとましくてならず、
あるときみんなのまえでウィスキーを喇叭呑みした
それがばれてぼくは停学を喰らい、
反省文を書いてた
不意に入って来たきみたちに戦く
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