枳の花──ユウコのために/中田満帆
 
なんとかしてきみに繋がることを期待していた
 すっかり溶暗した舞台のそでで、
 ぼくはきみに出会えるときを
 空想していた
 でもきみはコンドウなんていうでぶの誘いで、
 一緒に下校してしまった、って、
 なんと芽毟り仔撃ちか! 
 2年にあがって
 きみはヤンキーどもに感化されたのか、
 ばかげた赤いパーカーを着て、
 髪を染めてしまった
 そしてぼくは酒を呑むようになった
 疎外感のなかでなにもかもがうとましくてならず、 
 あるときみんなのまえでウィスキーを喇叭呑みした
 それがばれてぼくは停学を喰らい、
 反省文を書いてた
 不意に入って来たきみたちに戦く
[次のページ]
戻る   Point(4)