「君たちはどう生きるか」を自分はどう見るか/木屋 亞万
 
に落とし込んで考えてみよう。
眞人は死んだ実母「ヒサコ」を追って、下の世界(死の世界)に来たのだが、若かりしヒサコであるヒミが相棒として登場してしまう。そのため、若いころの姿とはいえ母に会う目的が達成されてしまう。そのため、物語の都合上、新たな母「ナツコ」を探し求める存在として登場させる必要があった。

 ちなみに、ヒミ(=ヒサコ)のモデルは、卑弥呼なんじゃないかと思う。邪馬台国の女王である卑弥呼は鬼道を用いたといわれているが、その鬼道は死者や霊魂との親和性がある。また、ヒミコという名前から連想される火の巫女も、ヒミのイメージとピッタリである。
 老婆と少女と母はジブリ作品によく出てくる。
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