シナリオ『百合崎高校馬券部始末記』?/平瀬たかのり
 

   涼歌と遥並んで立っている。その前に  
   いるサッカー部員備後剛士(17)。
遥「はい。本日のご注文十八個」
   ラップにくるんだ焼きソバパンが入っ
   た紙袋を剛士に渡す遥。
剛士「ありがとう。もう誰も井園の作った焼
 きソバパンじゃないと納得しなくてさ」
遥「そりゃどうも――備後くん、誰が作って
 るかとか、どこで買ってるかとか、言って
 ないでしょうね」
剛士「言ってないよ。訊くやついるけど、答
 えたらもう食えなくなるって言うとそれ以
 上は訊いてこない」
遥「うん。お金もらってるとかってバレたら
 やっぱりややこしいことになるかもしんな

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