完備 第二詩集『mirage』/完備 ver.2
 
じゃ、ひとりだった、ひとりだった、まぶしかった、「ひかりちゃ
ん」。南向きの部屋、畳から、カビの臭いが立つ。タニシしかいない水
槽に正しい姿でわたしいた、たぶん、おったとおもう。「窓際に置くな
よ」「死ね」「おまえが死ねカス」「ブス」「死ね」。言う? ゆう。言わ
れる? ゆわれる。自分で? 自分で。自分に? 自分に!

途切れる。天下一品の床みたいな髪、撫でて、撫でて、撫でて 指のに
おい嗅いで、嗅いでくれよ、「死ねブス」。 「お前が死ねばよかった」
「生まれてきたくなかった」「なら死ね」「死ね」「死ね」「死ね」「死
ね」「死ね」の声 声が ベランダのない部屋でランハンシャしなが
[次のページ]
戻る   Point(3)