完備 第二詩集『mirage』/完備 ver.2
 
ながら
あいまいになる、南向きのまばゆさに混じる、いちばんたいせつな本
が水槽に沈められたとき しゅんかんみずしぶき ひとつぶひとつぶ 
の 隙間に交差するほこり 逆光とか ひとりでぜんぶやった。「ひか
りがやった」。そういうことになった。




  sea


水際(顔にかかる)
背中(にも散る)

まだらシャツ
  (砂しかない)砂浜(で 砂のお城を建てる)
  (四方、
八方に海がある)(砂も……
ある)どこから(も)どこまで

  (も 境い目)
  (崩れる 建てる 崩れる 建てる 崩れる わたしの
……、素手(で穴を掘る)
われたツ
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