四方山話/あらい
き
過去を引きずりながら 消せない惰性を余香にいたしました
寄せ返す感覚にとらわれると
ちょうどつま先だけを濡らしており
洪水が吹き零れたのは零時の 余剰の つめあとときでした
とある木の葉の一枚が ぐるぐるとまわっているのを
しにたいとか いきたいとか
そういった頑丈な感情がひたひたにある、ティーポットに
入れたはずのない思いでも 沸き出せばいいのに
出がらしの紅茶の香りだけをのこして
やはりこの胸に眠りこんでは しまってあるのです
記憶を呼び起こしても見ず知らずの祈りだけ置いて。
道だと思ったものが翳で、
囁きだと思ったら号令で、
残酷だと思ったら食卓だ
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