いしのなかにいる/あらい
ない狼は牙を隠しところどころ剥げた掻巻で覆う、敗れた箇所、そのぶん新しく未来を詠んだ。高らかな老骨は偏屈な餓鬼よりか つばさもなく天使より足がはやい。それはこの手にあまる、透かしたような形、宝飾より高価で旅人より愚鈍であった。
錠/鎖/楔。あまねくは、情愛で括られる、傍らの色。
射し込まれるひかり、一方から、影が囁く。
小さな部屋で私は自らを傾ければ重く溢れ、一定に湛えている。軽く穢らしい器にはこうしてちっぽけな意思が見えるものだ。
これが案外、形見の品、なんてちゃちな言い訳で締めくくり、道端で拾ったきれいな石のままの方が型に嵌まり、なあなあの人生を簡単に物語るものだろう。窓辺
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