いしのなかにいる/あらい
ほらどれこれも、形に残す意味はあるのか、なんて、後先も考えずときは流されるだけのもので。上滑りな行動がこうしてまた重なって逝ってしまう、何故なにごとを思って選択を行うのか、遠い過去になっては遺された師走にまた戻ってきては。
安堵しているのだろう?
ああ、こうして古く狭い場所に雨露を凌ぐだけの沢山の記憶がへばりついて拵えた我が家だ。最善の選択をしてきたはずなのに、なぜだかここから逃げ出したい、どこか別のところに帰りたいと思う。とても苦しいのにやはり落ち着くのだから、
しょうもない。
もう既にガラクタにしかならない『よいおもいで』が捨てられずに小さな机上にこまごまみっちりと重なると
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