いしのなかにいる/あらい
 
讃歌する気も人助けをする気もない、自分自身がわからないのでそれを叩きつけている現状。みな損なもの、自分のことしか考えてない、それでいて何も見えやしない真実なんて希望も理想でニヤッとする。簡単なことだ、けれど自由は効かないものだ。

 偶然でもめぐり合わせ、たわいない浮薄、残念な節理。
 見離してみて焦げ付いたかおりが、
 脳内に錆びついている。

 部屋の中に充満したケム(煙)に燻され、どうやら眠ってしまったらしい、あれから、もう随分経つ。燃え残った手紙の束、アレが過去のしがらみを書き付けた毒吐(独白)を箪笥にしまい込む。読み返す気もおきないがあれも生きた痕跡のひとつだから。
 ほら
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