読むことのスリル──ひだかたけし小論(9)/朧月夜
 
それは根本的な問いであり、この小論が目的とすべき部分です。ですが、わたしはあえてその答えを提示しないでおきましょう。早急に答えを求めることは、早急にその問いを終わらせてしまうことにつながります。読者は、その混み入ったパズルを解くという楽しみを、答えの提示によって奪われてしまうことにもなりかねないのです。……最後に、「人は何をもって詩を書くのか?」という問いに対する答えを提示して、終わりにしましょう。──わたしは、この小論においてそのことをすでに書き終えている、と。いささか不細工に過ぎますが、わたしはこの小論を終えます。
 
(追記)

 この小論は、この「おわりに」を含めれば全九章。202
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