読むことのスリル──ひだかたけし小論(9)/朧月夜
間」がある、いや「時間」がない、そういった些細な注文に右往左往してもらっては困るのです。
「生来の詩人(生まれながらの詩人)」とは、「言葉」に対して戦う宿命をもった詩人であり、そのことは、ボードレールの言う次のような言葉が後押しします。すなわち、「詩人こそが最高の批評家である」と。やはり手元に資料がなく、この言葉がどの作品から出てきたものなのか、今は判然としません。ですが、ボードレールは「言葉という素材を扱う以上、人は批評家たらざるを得ない」という趣旨のことを言っていたような気がします。これは引用でもないような典拠ですが、わたしはその主張のために、曖昧さを犠牲にしましょう。
SF作家である、
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