読むことのスリル──ひだかたけし小論(8)/朧月夜
難です。アマチュアの詩人であるという氏の立場にあっても、氏の作品はつねに一定の評価を得ているからです。分かりやすく、しかし多くの共感を得ている詩を、わたしは忌避します(例外はありますが)。
わたしは、ひとつの詩に対する詳細な注釈・解題というものをあまり好みません。それよりは、詩の原作・原点にあって、そこにある「心」を読み解いてほしいと思うからです。ですが、少しは読者の便宜を図るための解説も必要でしょう。上に挙げた、二つの詩のなかにあるのは、「時間」です。
すでに書いたように、この章で挙げた二つの詩が書かれたのは、2019年のことです。そして、第一章で挙げた「VISION.02」、第六章で挙
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