読むことのスリル──ひだかたけし小論(3)/朧月夜
は、
愛の繋がりの中で鮮明に実感され
孤立の中では、「孤」と「独」が混濁し不鮮明に濁り腐っていくだけなのだ。
そうして、
この界にこの界を、独り驚き在る強い意志が削がれていく。
これは、逃亡でしょうか。あるいは自己への回帰でしょうか。音楽とは、氏にとっては詩の深みへと誘う媒体に過ぎないのです。ならば、音楽評論家になれば良いのではないか? そうも思います。そうすれば、氏は著名な音楽評論家にもなり得たでしょう。そして、そこに「世俗性」というものが現れてきたでしょう。しかし、現実はそうはなりませんでした。氏は。音楽を超えて、世俗を超えて、ある高みへと到達してしまうので
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