シナリオ・駒は乙女に頬染めさせて?/平瀬たかのり
 
う千堂駿太(23)。
正純「彼はすごいぞ。去年の全国装蹄師大会でぶっちぎ
 りの優勝。今年になって開業した。寿々芽の言う違和
 感ってやつが少しでも解消されんかと思ってな」
   駿太を見る寿々芽。分かるかどうかの会釈をする
   駿太。

〇同・削蹄場
   釘節刀(ちょうせつとう)を使い、レナーテの蹄
   鉄を外す駿太。外した蹄鉄をためつすがめつして、
   ふっと笑う。
駿太「こんなテツを履いてる限り、この馬は全力で走ら
 ないね。ボルトが入ってるんだよね、右前足に」
正純「ああ」
駿太「脚――って言うか体そのものにテツが合っていな
 いんだ。ボルトが入ってこ
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