ヒスグラの同人誌/こんにちは!みんです
 

だが私にはまだ彼をどこか手の届かない遠くに居る星のように見る部分があり、無責任に彼を模倣するため、一度きりの対面において印象に残っていた彼の服装に近い系統のものを探した。彼があのとき着ていたものとよく似たタンクトップは、あっけなく見つかった。ヒスグラのタンクトップと関わりを持ったときから私の心は緊張し、私の意識はタンスの中で異彩を放ち続けるヒスグラのタンクトップに向いていた。しかしそれを買うときも着るときも、私を見る人の目は拍子抜けするほど簡素で無感動なものだった。それからあの同人誌に対する感動はファッションへの関心に遷移していき、薄っぺらな小冊子は散らかった部屋の中で無数のポルノに紛れていつ
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