人間ではない。/岡部淳太郎
の有名な詩句を改変して言うならば、
本当の事を言おうか
人間のふりはしてるが
私は人間ではない
そう言ってしまいたい気分であった(谷川俊太郎「鳥羽1」より、「詩人」と書かれた部分を「人間」に改変して引用した)。こういうことを言うと同じような詩の書き手の中からも反感の意見が出るかもしれないと承知はしていてあえて言うのだが、実は詩人は人間ではないのではないだろうか。文字通り人と人の間に存在するのが「人間」というものであるのなら、詩人はそうした規範から外れてしまっている。詩人自身の存在基盤は実は人との間、言い換えるなら世界の内側でダイナミックに動く運動体の中にあるのではなく、人々
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