汽水域/山犬切
 
姉の自室まで体を運び、彼女を羽毛布団にそっと寝かせた 姉は「着替えさせて…」と甘い声で言い、酔って変な気分になっているのか?と僕は思ったが、僕は姉の言う通り着替えさせ始めた 姉はとっくにすーすーと眠りについている 一旦敷布団の上にある掛け布団を剥いだら何かの形が見えたので近づいてみるとそれはディルドだった 真面目に見える姉も普段はこれで慰めているのか…と感懐に浸りつつも、茶色のニットのセーターをずるずると脱がしピンク色のブラジャーを外すと上半身が完全に裸になった姉の肢体があり、メロンのような乳房が雪明かりに照らされてたゆたゆ、と揺れていた 僕は〈血族〉ということを考えた 家系という不可視に枝分かれ
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